KEY TALK

日産自動車の風土を象徴する文化の一つに「ダイバーシティ&インクルージョン」があります。「ダイバーシティ&インクルージョン」とは、それぞれの個が持つ多様な価値観を尊重し、組織が一体となれるようにお互いを認め合い、受け入れることです。

日産自動車は、この「ダイバーシティ&インクルージョン」を強みとして活かすことで、多様な力を発揮し、革新的な価値を次々と生み出しています。 今回は、異なるバックグラウンドを持ち、異なる業務を担当する3名の社員が、自らの仕事を通じて感じる「日産という文化」について語り合いました。

R&D

戸崎 未紀

Nissan第三製品開発部
2016年入社
総合理工学研究科卒

GLOBAL PRODUCT PLANNING

金井 雄太

商品ビジョン&イノベーション戦略部
2016年 中途入社
システム創成学科卒

MARKETING & SALES

島村 盛幸

日本EV事業部
2005年入社
経営学科卒

Chapter 01

マーケティング、UX企画、製品開発
それぞれが取り組むクルマの未来

みなさんは、日産自動車にどのような想いで入社されたのでしょうか。

金井私はIT企業から転職して日産自動車に入社しました。転職にあたって自動車業界を選択したのは、クルマの持つ大きな可能性に惹かれたからです。以前、Google本社で自動運転のクルマを見る機会がありました。その時に、自動運転が将来の人々の生活を劇的に変えるはず。そしてその変化を起こす側にいたい、と考えました。転職先にあたっては、個々の力が十分に発揮でき、それが評価される環境であること。さらに、クルマの未来をどう描いているか、そのビジョンを明確に打ち出しているかを重要視し、それらの点に合致したのが、日産自動車でした。

戸崎私は大学院でバッテリーの研究に従事し、その間中国への留学を経験しました。留学中に衝撃を受けたのは中国の交通事情で、特に自動車の排気ガスによる大気汚染の問題に大きな関心を抱きました。その上で、日産自動車が環境負荷の低いEV(電気自動車)の開発に力を注いでいることは魅力的でした。加えて、グローバルに事業を展開しており、EVに見られるような日産自動車が保有する技術は、広く世界に貢献できると感じ入社を志望しました。

島村私は自動車メーカーであれば、毎日自社の商品を見ることができ、長い社会人生活のモチベーションを保つことができると思ったのが、自動車業界を志望した理由です。就活当時、私が興味を持っていたブランドマネジメントに最も取り組んでいた自動車メーカーが日産自動車。ここであれば、自分がやりたいことができると感じて入社を決めました。

みなさんそれぞれのバッググラウンド、個性は仕事にどう活かされていますか。

島村私は入社以来、商品企画から営業まで、自動車ビジネスの上流から下流まで幅広く携わってきました。そこで得た知見が私の個性であり、強みだと思っています。現在担当している仕事が、EVのマーケティング。EVはまだ大衆化しているとは言い難い現状ですが、EVの大衆化を先頭に立って推し進め、「EVといえば日産」というイメージを確固たるものにするために、様々な戦略を立案し実行しています。その際、多くの経験を重ねて得た機能軸のダイバーシティが、点を線で結ぶ今のマーケティングの仕事に活かされていると思います。営業がお客様に伝えられる価値を、最大限ものづくり部門から吸い上げて市場にコミュニケートできるのも、自分がこれまで培ってきた個性=強みが発揮されているからだと思います。

金井私はIT企業出身ということもあり、変化を恐れません。むしろ変化している環境に対して、自ら学び、適応できるように努力することが楽しいです。現在の私の仕事は、将来必要とされるクルマのUXを策定することです。UXとはUser Experience、つまりユーザーの感情を動かす体験のことです。UXを提供できた結果、記憶に残り、長く愛される車を作ることが出来ます。UXを提供するために、お客様の心はどうやったら動くのかを調査し、必要な技術を組み合わせ日産車がもたらすべきUXを定義しています。将来の自動車像を作る仕事であり、何が正解かわからない中でもがいている状態ですが、未知の世界に挑むという仕事に、変化を恐れない自分の個性が活きていると感じています。

戸崎私は学生時代に学んだバッテリーをはじめとした、自動車に関する知見を活かし、入社以来、ランプの設計や性能評価を担当しています。現在は、北米向けのフルサイズSUVのランプ設計に取り組んでいます。設計部署だけでなく、デザイナーや生産部門、現地スタッフとコミュニケーションを取りながら、新しいスタイリングのランプを設計できるようなソリューションを検討し、実際の部品を作り上げていきます。2018年に担当車種の拠点となるエンジニアのトレーナー、2019年には海外での市場調査を行い、海外エンジニアとのコミュニケーションを図ってきました。多くの人との密度の濃いコミュニケーションを通じて培ってきた多様なものの見方が、新しいモノを作り出す今の仕事に反映されていると思います。

島村様々な個性を持った人たちが、それぞれの個性を培い育んできていること。そして、それらの異なる視点、価値観の組み合わせが革新的な価値を生み出し、お客様の多様なニーズに応えることができるのだと思いますね。

Chapter 02

知と知の組み合わせが生むイノベーション
ダイバーシティが新たな価値を創出する

日産自動車の価値、それが生み出される職場環境についてはいかがですか。

島村私の部署のメンバーは約半分が他業界出身です。私たちクルマ屋の考えと他業界出身のメンバーの知見、ノウハウが相乗効果を生み、新しい発想が生まれてきました。たとえば家で充電できるEV、あるいは蓄電池として家に供給できるEVなどは、多様なメンバーの協働の中から生まれています。こうした協働の作業を通じて、クルマとしてのEVが一歩進んだ存在であることを世の中に発信し、EVの大衆化を進めていきたいと考えています。

金井私は他の会社を知っているためより強く感じますが、日産自動車には異なる価値観の人が非常に多いと思います。現在所属する部署も、中途入社の方や他部門出身の方が多く存在します。知と知の組み合わせでしかイノベーションは起きないと言われていますが、その組み合わせが自然に発生しているのは日産自動車ならではで、ベストなUXの実現に不可欠であると感じています。

戸崎私の職場は、海外のエンジニアとやりとりする機会が少なくありません。そこには当然、言語や文化、価値観の違いがあります。お互いがそれらの異なる意見、多様な考え方を理解し、グローバルレベルでコミュニケーションをすることは、優れた製品開発には欠かせない要素だと考えています。日産自動車のダイバーシティは、そうした異なる価値観を受容することから生まれていると思いますね。

島村戸崎さんが指摘する様々な価値観や考え方、個性を尊重し受容する風土を日産自動車は育んできたのだと思います。では、なぜそういった風土を醸成できたのかといえば、日産自動車は古くからトップを追うチャレンジャーだったからだと思いますね。他社の真似をせず、自分たちにしかできない価値にフォーカスして競争優位を磨きチャレンジする。その実現のために、多様な価値観を尊重し受容するダイバーシティは不可欠な要素だった。それが今、業界を変革するEVやe-POWER、ProPILOTなどの独自な製品を生み出すことにつながっているのだと思います。

戸崎同感です。島村さんがおっしゃったように、日産自動車がチャレンジャーであることは今の仕事を通じても実感します。現在担当している車種のプロジェクトマネージャーは、多角的な視点でフィードバックしてくれますが、それらの多くは新しいことへの挑戦を促すもの。いかに北米市場にマッチし、さらに市場の期待を超えるランプを生み出せるか。日々チャレンジであり、そういった姿勢で一つのクルマを作り上げていく一員であることに誇りを感じています。

金井私がかつて所属していたIT業界は、チームというより個で戦うことが多い世界でした。しかし、日産自動車に入社し、多様なメンバーと仕事をする中で、多角的な見方ができるようになったと感じています。現在の仕事であるUXを企画する際にも、各海外地域のお客様が感動することは異なります。AIを例にあげると、AIという言葉の持つ先進性そのものに感動する海外地域もあれば、AIが自分の代わりになんでもやってくれて生活が楽になるという機能性に感動する海外地域もあります。ベストなUXを実現するためには、多様で多角的なものの見方は欠かせないと感じています。

島村日産自動車においてダイバーシティは、2巡目に入っていると思いますね。最初のフェーズがダイバーシティを尊重し、様々な価値観を受け入れることだったと思いますが、2巡目である現在は、ダイバーシティをビジネスの現場に活かしていくフェーズ。ダイバーシティから生みだされるものに価値を見出しチャレンジしていくことが求められている。多様な価値観や考え方、個性が有機的につながることが力であり、日産自動車が進化していくために不可欠なものだと思います。

Chapter 03

ダイバーシティとチャレンジスピリットが創る
NISSAN INTELLIGENT MOBILITY

今後の目標・目指すキャリアを教えてください。

金井未来の体験を作るという点で、前例も正解もない領域です。そこで自分なりの「答え」を出して、お客様を感動させたいと思います。そのためには過去の習慣にとらわれず、必要に応じて積極的に変化していきたいです。そして、変化の大きい自動車業界において、将来のお客様の心を動かせる次世代モビリティを生み出せる人になりたいと考えています。

戸崎私は、現在の担当であるランプのエンジニアとして経験を積み、より多くの知識と経験を得ることが大切だと考えています。エンジニアとしてしっかりとした軸を形成し、入社以来の目標である、海外海外地域で活躍できるエンジニアになりたい。そのために、多くの業界の人たちと積極的にコミュニケーションを取り、広い視野と高いアンテナ、多角的な視点を持ったエンジニアに成長したいと思っています。

島村「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」という道が、多くのお客様の人生を豊かにし、日産自動車のチャレンジが正しかったことを世の中に示したいですね。日産自動車にとって厳しい時期を経験した者として、日産バッジを誇り高く掲げられる時代をまた創りたいと思っています。日産自動車が持つダイバーシティやチャレンジスピリットがその力になると確信しています。