転職の決め手は、
高い技術力と社会貢献度の大きさ。

私は、車載ECUのアプリケーション開発を経験した後、車載ソフトウェアの開発プラットフォームベンダーに勤務。モデルベース開発の統合環境を活用したRapid prototyping、SILS、MILS、HILSなどの開発効率化ソリューション提案や導入サポートをとおして、制御開発の効率化を支援してきました。自動車メーカーへの転職を考えたのは、パリ協定を契機とした各国のカーボンニュートラル社会へのコミットメントや、CASEの提唱など、業界全体が転換点を迎えたことがきっかけです。パワートレインシステムの制御開発は、こうした変革を実現するうえで肝となる領域。OEMの立場から技術革新を推進し、社会貢献を果たしたいと考えました。特に日産は、量産EVのパイオニア企業。『e-POWER』をはじめ、独自の技術アセットを有する環境は非常に魅力的でした。

ルノー、三菱とのアライアンスとしての取り組みも入社を決めたポイントです。複数社での開発は技術・プロセス視点での複雑性が増すため難易度も高まりますが、お客様に対しては最終的に品質やコストの面で価値を提供することが可能です。難しい仕事を通じた世の中への貢献は、自身のやりがいにつながると考えました。

合理的な開発を推進し、
革新的な機能の実現を目指す。

クルマの電動化や知能化を代表とする業界トレンドを背景に、機能を実現するうえでのソフトウェアへの依存度は二次曲線的に増加しています。また、日産自動車はグローバルに事業を展開し、世界のお客様に商品をお届けしています。そのため、各国の法規制や市場ニーズへの対応が必須です。私の所属部署では、パワートレインに関わる要件を制御開発で実現し、お客様に高品質なクルマをお届けすることをミッションとしています。

このような中で私は、パワートレインECU開発のプロジェクトマネジメントを担当しています。リソース、プロセス、開発手法などのアセットを活用しプロジェクトを推進することが使命です。関わるステークホルダーも、アライアンス先やサプライヤーなど多岐にわたるため、開発に関わるすべての人と協調してプロジェクトを推進させていくことが重要となります。多くの要件や制約のもと、合理的に品質、コストを担保し、タイムリーにプロジェクトを量産化につなげていく。それが、難しい点であり、面白い部分です。

開発手法の知見や車載通信規格の知識。
前職で培ったスキルが活躍のベースに。

自動車の制御開発の分野では、標準化された領域と、そうでない領域があります。前職では、CANやLIN、車載Ethernetといった車載通信規格に関わる技術サポート、ASAM規格をベースとした適合業務の最適化提案など、標準化された領域を扱っていたため、現職における技術折衝を行うシーンで汎用的に活かすことができています。一方で、フレームワークを使った課題分析やプロセス改善などのスキルは現職のプロジェクトマネジメント業務をとおして伸ばすことができた領域だと思います。

また、日産はグローバルに開発拠点や工場があり、英語でのコミュニケーションが日常的です。前職では仕様の折衝業務などで英語を使っていたため現職でも活かせています。日産では、より細かい技術折衝や調整業務も発生するため、転職後も定期的に英語のスキルを伸ばす努力を続けています。TOEICの社内受験制度や、外部スクールの補助などサポートが手厚く、社員のスキル向上を助けてくれる制度があるので、とてもありがたいです。

ターニングポイントを迎えたいまこそ、
“技術の日産”は面白い。

日産は長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』を発表し、クルマの価値を“移動手段”から、“社会をより良くするモビリティ”に革新する意思を示しています。すでに足元ではEVの量産化をはじめ、シェアリングモビリティの実証実験、自動運転技術の追求など、先進的な取り組みが次々とスタート。将来を見据えた時にもエンジニアとして本当に面白いフィールドです。私自身も、現在は北米市場向け新車開発プロジェクトの立ち上げに集中していますが、将来的にはEEアーキテクチャの合理化などにも携わってみたいと考えています。

また最近では、シェアリングモビリティのサービス開発や推進にも興味が湧いてきました。私は新潟県阿賀町の出身ですが、数年後には高齢者率60%に達するともいわれています。高齢化の波は日本中に広がっており、免許返納後の“生活の足”をどうするかは大きな社会課題。その解決に向けて、自動運転やコネクテッドなど、日産独自のアセットが必ず役立つはずです。このように、クルマの捉え方が技術視点から社会視点、お客様視点へと広がったことも、転職をとおして得た成長だと思います。